憧れのギャラリー再会へ
通天閣のすぐそばにこじんまりと建っている可愛い建物。
石井修氏が1953年に設計した「ギャラリー再会」で、国登録有形文化財に指定されています。
以前から写真を見てひとめぼれしてしまい、ずっと行きたいなと思っていました。
通天閣を目印に探すと、北東に延びる道にこじんまりひっそりとたたずんでおりました。
今まで通天閣は観光で来たことがありましたが、この建物は小さくて気づいていませんでした。
写真で見たよりもツタが育っていましたが、南欧風の可憐なデザインのファサード。
テラスのねじり柱やアイアンの曲線、窓部分のアーチが優美で、木の細工やドアがどこか懐かしく外国の田舎の風景を彷彿とさせます。
入口ドアをくぐるのも期待が高まります。
中に入ると…
優雅な曲線美の階段が出迎えてくれます。
この階段に憧れていました。素敵です。
ギャラリー再会は、昭和2 8 年当初純喫茶として建築されました。
当時の新世界は東京浅草と並び娯楽の街として賑やかだったそうです。
再会にも銀幕のスター たちがよく遊びに来ていたそうで、この優雅で華やかなデザインも納得です。
この曲線階段で写真を撮りましたが、本当に女優になった気分に浸れます。
どこから見ても美しい階段です。
スケルトンの階段を一歩一歩踏みしめて上ります。
階段手すりからつづく、階段柵の曲線の美しいこと。
近代建築の重厚な木の手すりもよいですが、この繊細な優美なラインも何とも言えず、ただ見惚れてしまいます。
この建物を印象付けているデザインです。
壁面のアートも建物と競演しているようです。
2階へ
イケフェスのガイド本には、1階が若者、2階がカップル専用の喫茶スペースで、お見合いの席で利用されていたと記載がありました。
そんな使われ方をしていたとは驚きです。純喫茶とかカップル専用とか、時代を感じますね。
そんな2階にも、気になる装飾がたくさん。
木やレンガといった落ち着きのある内装に、木彫りのデザインが、十字架のようにも見え、天井の高さ、高窓からの光が教会を思わせます。
喫茶閉店後、平成9年に改修を終え、現在は「ギャラリー再会」として、コンサートなども開かれているようです。
この天井の高さの空間で聞くときっと素敵に響くことと思います。
1階へ
喫茶店の机と木の背もたれの椅子。
今座ってみると、かなり狭いです。
でも、落ち着きます。内装の優美なディテールに包まれて,至福のひととき。
アイアンや装飾の優美なデザインと、木のぬくもりが懐かしい南欧カントリーのデザインが合わさって、乙女心をくすぐるどこを取っても素敵な建物。
建築家のこだわりと、引き継いだオーナーさんのこだわりが感じられる建物でした。
通天閣の足元で、大阪の歴史を見てきた「ギャラリー再会」。
銀幕のスターが集まる街から、世界中の観光客が集まる新世界へ。
時代が変わっても、ずっと守られていってほしい建物です。
その他近隣の建物
こちらもツタが絡まるレトロな純喫茶「喫茶 ドレミ」。
10年以上前に家族と行った思い出があります。
分厚くてシンプルなホットケーキがおいしかったのを覚えていますが、その他にもショーケースのパフェやデザートが目を惹きます。
今も変わらないまま残っている建物、うれしいですね。
2022年10月29日撮影
参考
ギャラリー再会 – 大阪文化財ナビ (osaka-bunkazainavi.org)