生まれ変わって魅力的を増す、川辺のレトロ建築
土佐堀川に面して近代的な背の高いビルに挟まれるように建つ、小さな黒い木造建築があります。
1912年建築、木造2階地下1階建の北浜長屋。国の登録有形文化財に指定されています。
この界隈は株の仲介業で栄え、この北浜長屋もそうした社屋として建てられたようですが、その後、法律事務所として使われて以降空き家として放置されていたのを、2016年に再生されました。現在はカレー屋さんやカフェなどが入居し、活気を取り戻しています。
OXYMORON(オクシモロン)のカレー
開店前に着きましたが、すでに行列。事前に予約をしていたのでスムーズに入店できてよかったです。
土佐堀通に面する正面2階は黒漆漆喰の土蔵造、瓦葺で和風スタイルですが、1階の玄関上部は洋風な三角屋根のペディメントが付いています。
丸い電球と白いペンキで塗られた玄関周りがレトロで、和洋折衷の面白いデザイン。
大正時代の絵画にも思いますが、この時期の建物は、和と洋の様式がミックスされて現代の建物にはない魅力があり、今も人々を惹きつけているのだと思います。
店内へ
お店の方に許可を得て、店内を撮影させていただきました。
入り口のシャンデリアや、アンティークな家具や、モノトーンデザインの床など道路側は洋風でお洒落。
2階へ
2階道路側は、以前は応接間だったようで、型押しの金属天井が張られています。
塗膜がはがれていますが、改修であえてそのまま残したそうです。建物全体は構造を残しながらもきれいにお洒落になっていますが、この部屋は壁の汚れなども残されていて趣深い表情があり、歴史を感じさせてくれました。
ランチは土佐堀川を眺めながら
1階の窓際の席へ。
昔は船が行き交い川から人が出入りしていたとあって、水面を間近に感じます。全面硝子窓で、木製の窓がまるで額縁のように中之島の風景を切り取り、贅沢な眺めです。
木製の窓周りと白くペイントされた木の天井が落ち着いて懐かしく、いつまでも過ごしていたいと思う空間です。
外観も内装も素晴らしいのですが、やはり窓から川、街並み、中の島が一望できるこの席が一番気に入りました。
季節柄咲き誇るバラ園も眺めることができました。
この日は5周年の記念メニューでした。
カレーはもちろん、追加で頼んだチャイのシュークリームが絶品。
2軒隣は、北浜レトロビルヂング。
和と洋の対照的な外観が仲良く並んでいます。