土佐堀川裏道を行く
土佐堀川沿いを散歩
肥後橋のほとりに佇むビル。
こじんまりしているけれど、遠目にもわかる存在感。土佐堀通りから北の細い道に見える建物が気になっていました。
山内ビル(旧山内香法律特許事務所)
スパニッシュ風褐色タイルと連続するアーチ窓がいい味わい。
タイルも部分的に向きが変えられてアクセントになっています。
法律事務所のサインが残る、花崗岩で縁取られた入口。そのアーチの上には重厚なモチーフがあり、凝ったデザインになっています。
2000年に登録有形文化財に指定されています。
現在は、1階はアクセサリーショップ、2階はバルが営業中。
肥後橋を渡って土佐堀から見ても、他のビルの中で存在感が際立っています。
丸い窓とアーチ窓がロマンティックな表情。水面に垂れる緑と絵になってますね。
土佐堀川に沿って西へ
山内ビルの少し西、普通といえば普通なのですが、ガラスブロックと窓下の四角いレリーフがレトロで気になるビル。
西川設備工業ビル。
昭和の懐かしい感じが落ち着く建物です。
そのまま土佐堀川の裏側の道を西へ進むと、また気になる建物発見。
山根商店。昭和初期の建築
緑の庇と茶色のタイルの色合いの対比と、レンガと窓の縦のライン、軒飾りの文様が知的ですっきりした表情です。
この道を歩くまで知りませんでしたが思わず足が止まり、見惚れてしまいました。
さらに西へ
エレガントで優美なレトロビル。
大正15年着工の元信用金庫だった洋館を、2008年にレストランにリノベーション。
外観のタイルは張り直されたようですが、建物の特徴はそのまま残されています。
額縁のようなエントランス縁取りや入口上部のバルコニー、窓周りのデザインなど、クラシカルで気品があります。
レストランのほか、建物内にチャペルもあり、ウエディングの披露宴会場にも使われているようです。
土佐堀川から見たレトロ建築。近代的なビルの中でも存在感があります。
常安橋を西へ
そのまま西へ1ブロック進んで左へ曲がると、またレトロ建築が。
前知識なしに、ぶらぶら歩いてましたがその存在感に引き寄せられてしまいました。
旧菅澤眼科病院
昭和3年建築で、登録有形文化財に指定されています。
外壁のタイルは当時ドイツからの輸入品だそう。重厚感がありつつも、最上部のアーチ窓と玄関のアールの形状が優しい趣があります。
入口には眼科の看板が残っています。
玄関の柱は構造的なものではなく、デザインだとか。
現在は閉院し、イタリア郷土料理のレストランが営業しています。
出典:『北大阪モダン建築』青幻舎
文化庁 文化遺産オンラインHP
写真撮影:2022月9月28日