イケフェス2日目、大阪証券取引ビルから、船場ビルディングへ。
前から気になっていたビル。「名建築で昼食を」にも出てきていました。
堺筋を南に下り、淡路町通に入ります。昼前に到着しましたが、すでに長い列。1時間弱並んで入ることができました。
シンプルで落ち着いた外観のエントランス
1階外観は落ち着いた白いタイル張り。2階以上が茶色の小口タイルで切り替えられているアールデコデザイン。外からは中の様子が見えにくく想像がつきません。
カードキーでエントランスのロックを開けてもらい、中に入りました。
中に入ると一転、開放的なパテイオ
中に入ると、明るく開放的な吹き抜け空間。植物の緑が眩しいです。
床には木レンガが敷き詰められています。
玄関ホールのスロープから続く細長いパティオ風の中庭は、問屋街として発展した船場という土地柄に合わせて、トラックや荷馬車などを引き込むのに便利な機能性を重んじた設計だそうです。木レンガも消音効果から採用されたようです。
ヨーロッパ風の美しいパテイオですが、実は美観だけでなく、機能性に優れたものだったのですね。
各階に回廊を巡らす特色ある造り
船場ビルディングは三休橋筋拡張を機に大正14年(1925年)に竣工。
当時オフィスと住居をあわせもつユニークで革新的なビルとして注目を集めたそうです。
木のずっしりした手すり。深い緑色に塗られています。
階段ホールの意匠のある柵とローズ色の床が、大正ロマンを感じさせてとても魅力的な空間。
廊下部分に設置された緑枠の窓にがかった窓にローズの床の色。ロマンチックな色合いです。
建具にはめ込まれたステンドグラスも健在。花のモチーフが可憐。
歴史的建造物の維持・保全に留意しつつ、文化継承のために現在もテナントオフィスビルとして活用されており、事務所やショップなどが入っています。
普段の見学には事前申し込みが必要とのことで、イケフェスでも写真撮影はいいですが、営業中の事務所や店舗に迷惑がかからないようにとの注意がありました。
回廊から中庭の緑を眺めているととても癒されます。
屋上には庭園もあり、テナントの方の休憩スペースとなっています。
こんな職場環境ならストレスも減り、創造性も高まりそうですね。
近年は、オフィスビルにも快適性が求められ、投資家の判断材料ともなる時代ですが、100年ほど前にこの快適性と機能性を併せ持ったビルが建てられたのは驚きです。
まさに時代の先駆けですね。
ずっとこの場所にいたいなあと思える空間でした。
写真:2022年10月30日