ルートヴィヒ美術館展と、建築さんぽ
京都国立近代美術館で展示されている、ルートヴィヒ美術館展。
最終日前日で、ぎりぎり見に行くことができました。
ピカソから、ウォーホル、写真に彫刻、映像作品と盛りだくさん。
色んな角度からアートが見られて興味深かったです。
私は、ピカソのお皿と、パウル・クレー、モーリス・ルイスの作品が気に入りました。
常設展の日本画もよかったです。
で、京都国立近代美術館の隣に建っているのが、
京都府立図書館。
1909年岡崎に移転建築。
設計は武田五一。
阪神淡路大震災の被害が大きく、2001年にファサードのみ保存され建て替えられました。
黒の屋根と、白い壁に、落ち着いた黄金色にも見えるテラコッタの装飾が美しいです。
アーチ窓や、円形のデザインが、優美。
曲線と直線で仕上げられた扉のデザインが、印象的です。
こちらの扉には、控えめながらもアールヌーボーの曲線。
とても愛らしいデザイン。
ファサード部分と、新館部分が違和感なく一体化しています。
新館内部は、とても近代的な空間。
中央に螺旋階段があり、庭部分の吹き抜けとも相まって開放的でした。
半円状の吹き抜け庭と大鳥居、
和洋ミックスが面白い。
神宮通りを挟んで京都市京セラ美術館。
旧京都市美術館。
2020年にリノベーションされ、「京都市京セラ美術館」として生まれ変わっています。
1933年に創建。設計は、前田健二郎。
当時からの洋風建築の上に屋根を載せる帝冠様式はそのまま。
外観で目を惹くのは、地下の新しいエントランス。
「ガラス・リボン」と名付けられたファサード。
夜になるとライトアップされ、光の上に建築が浮かんでいるよう。
とてもロマンチックな光景です。
そして琵琶湖疎水を挟んで対岸には、
藤井斉成会有鄰館第一館。
閉館していましたが、1926年建築の私設美術館。
こちらも武田五一建築。
東洋美術コレクションに合わせた中国風の建物。
ちょこんと上に載っている八角堂がとてもユニーク。
玄関上部の龍のレリーフも中華風デザインで面白い。
武田五一氏の幅の広さに驚きです。
その昔この一帯は、白河と呼ばれ、平安時代末期には栄華をきわめましたが、
鎌倉時代にかけて焼失してしまったそうです。
その後幕末の騒乱や東京遷都により京都が衰微するなか、琵琶湖疏水が計画され、
明治28年には、政府主催の内国勧業博覧会と、平安遷都1100年紀念祭が同時開催されました。
その時に平安神宮が創建され、博覧会跡地に、岡崎公園、さらに、図書館や、美術館などの文化施設が建てられたそうです。
参照:岡崎の歴史 | 岡崎コンシェルジュ (kyoto-okazaki.jp)
美術館に、岡崎エリアの歴史のリーフレットが販売されていました。
何度も岡崎公園周辺には来てますが、
改めて岡崎エリアのダイナミックな土地の歴史と、
歴史の中で建てられた建物と、
また時代とともに変わりゆく部分を感じられて
とても興味深いアート&建築さんぽでした。